落日燃ゆ

作家・故城山三郎氏が第2次世界大戦終結後に連合国側によって開かれた極東国際軍事裁判東京裁判)で絞首刑を宣告された7人のA級戦犯のうち、ただ一人の文官であった元総理・外相である廣田弘毅の生涯を描いた小説『落日燃ゆ』が15日の土曜日、テレビ朝日系でスペシャルドラマとして放送されましたが個人的にはなかなか良かったと感じています。

物語の全部が本当だとは思いませんが東京裁判において一切の弁解をせず、自らの死をもって戦争の責任をとった廣田弘毅の姿に心が震えました。


個人的には本来なら日中戦争開始時の首相だった近衛文麿国際連盟脱退を宣言した元外相の松岡洋右も、その責任を負うべき人物だと思いますが、近衛は服毒自殺、松岡は収監先の巣鴨プリズン結核を悪化させて死亡した為に、結局、廣田が軍人だけでなく、文官も死刑台に立たせたい連合国側のターゲットになってしまったのは悲劇としか言いようがないです。

以前は廣田弘毅に対する印象は余り良くなかったですが『落日燃ゆ』を読んでその印象が変わりました。

今回は北大路欣也さんが廣田役でしたが、はまり役だったと思います。