高齢化の波

刑務所にも高齢化の波が押し寄せている。
60歳以上の高齢受刑者数がココに来て急増している。2004(平成16)年の新規入所者は10年前の約2.6倍に達していることが、法務省の調査で明らかになった。背景には、高齢者の犯罪、特に再犯の増加が著しいという。最近は刑務所の過剰収容や経費増加が問題になっている為、法務省は受刑者の再犯を減らす対策作りに乗り出すようだ。
同省に由ると、新規に入所した60歳以上の受刑者は、1994(平成6)年には1,181人だったのに対し、2004年は3,129人と初めて3,000人を超えた。全体の成人受刑者に占める60歳以上の割合も2003(平成15)年で11%に達し、ドイツ(2.6%)、英国(2.8%)、を大きく上回っている。尚、米国は55歳以上の受刑者は3.1%に留まっている。
警察庁に由ると、2004年の成人刑法犯のうち、60歳以上は5万6410人で1995(平成7)年の2万341人の倍以上になっているという。このため、法務省は2006(平成17)年から2年間掛けて、高齢受刑者の実態に関する本格的な調査を実施する。
具体的には
1、入所回数が多い受刑者の傾向
2、受刑者の受刑に至った経緯や刑期、態度
3、受刑者自身の出所後の生活設計
などを調べる。
法務省は既に、高齢受刑者が出所後に社会に適応し易いように、「高齢受刑者に軽作業中心の作業をさせる」「高齢受刑者専用の収容区画を設け、バリアフリーの環境を整える」などの対策を始めているという。然し、幾ら高齢者だといっても受刑者の身分で至り尽くせりでいいですな。
高齢者の再犯増加が著しいというが多分、出所後も働き口がなければ住む所もないつまり何処にも行く所がなく、飢えや辛い生活を送るのならば結局は多少居心地が良かった刑務所に戻りたくて亦つまらない犯罪を犯すのだろう。3度の飯は食べられるしある程度生活も保障されているし・・・。まぁ、高齢化社会に突入したのだから高齢者の犯罪もそれなりに多くなり受刑者も増えるのは当たり前なことだと思うのだが。
それより犯罪の多発により受刑者数の増加で刑務所の収容数に限界が出てきている方が問題だと思うのだが。