第3のレール

JR東海は、地震対策として東海道新幹線、東京―新大阪間全線に「脱線防止ガード」を新設する方針を決めた。既存の軌道と平行にレール1本を増設し、車輪を挟み込む方式を新年度から着工する予定。脱線防止ガードが、新幹線のような高速鉄道や、長距離区間に本格導入されるのは世界でも初めてで「第3のレール」で脱線の確率軽減を目指すとのこと。
鉄道会社は急カーブ対策として脱線防止ガードや脱線防止レールを設置している。何れもカーブや2つの軌道が互いに交差する「クロッシング」部分などのレール内側に、レールと平行して取り付ける。車輪をレールとの間に挟む形になり、脱線しそうになった車輪が横方向に大きくずれるのを防ぐ。防止ガードはL字形をした鋼鉄製金具で、防止レールと同等の機能を持つとされるが、取り付けは比較的簡単で費用も安い。防止ガードは1963(昭和38)年、161人の死者を出した鶴見多重衝突事故を機に開発された。
【鶴見多重衝突事故】
1963年(昭和38年)11月9日、国鉄東海道本線鶴見駅新子安駅間で脱線した下り貨物列車に上りの横須賀線電車が衝突、その先頭車が貨物列車からの連絡によって停車していた下り横須賀線電車に突っ込み三重衝突となる。死者161人、負傷者120人。