トワイライトエクスプレス

大阪と札幌を結ぶJR西日本の看板寝台特急トワイライトエクスプレス」で、車内販売にあたる子会社「ジェイアール西日本フードサービスネット」(大阪市淀川区)の従業員らが、売上伝票を発行せず、コーヒー代金の一部を着服していたことが14日、分かった。
1989(平成元)年7月の運行開始以来、16年に亘り続いていたと見られ、退職者も含めた約100人が関与し、被害総額は約1400万円に上るという。フード社は同日から現職29人の乗務を停止。同社の沢田潤之・常務取締役は14日記者会見で、「不正監視に手ぬるい部分があった。着服金は返金させ、懲戒免職も含めた処分や刑事告訴も検討する」としている。
同エクスプレスは9両編成(定員130人)で、ホテル並みの豪華な内装もあって人気が高い。今月9日、従業員からの内部告発で表面化。これまでに、仕切り役のチーフパーサーを含む11人から事情を聴き、全員が着服を認めた。食堂車には1編成につき6人の従業員が乗務している。
 社員の供述によると、乗客が夜景などを見ながら自由にくつろぐ4号車の「サロンカー」では、隣の食堂車の従業員がコーヒー(1杯420円)の注文を受けている。この際、売上伝票を発行せず、受け取った代金をそのまま着服、チーフパーサーが管理し分配していた。伝票を発行しない乗客は4人に1人程度で、1人年間3万6000円程度を着服した計算になるという。
 サロンカーでは、高級感を出すため、1杯ずつ陶磁器のカップでサービスしており、通常の車内販売のように、紙コップの在庫と売り上げが照合出来ないことに目をつけた巧妙な手口だった。