仁義なき証券界 ?!

みずほ証券に因るジェコム株の大量誤発注問題で内外の大手証券6社が誤発注と知りながら売り注文分を買い漁っていたことが13日までに分かった。誤発注当日の売買利益のほか、13日に行われた強制決済でそれぞれ数億から百数十億円の巨利を得ていた模様。同業者の間違いに付け込み、僅かな隙に巨大利益を貪るとは流石、マネーケームのプロ。映画のストーリーのようだ。
みずほ証券が「1株を61万で」を「1円で61万株」と誤入力したジェコム株の大量売り注文で、巨利の取得が判明したのは欧州系のUBS証券グループとクレディ・スイス・ファースト・ボストン証券、米系のモルガン・スタンレー・ジャパンとリーマン・ブラザーズ証券グループ。更に日本の日興コーディアルグループ野村證券。この6社が得た利益の合計は推定168億円。みずほ証券の損失額約400億円の4分の1を占める。異様な誤発注の大量売り注文を見逃さず、すかさず自己勘定で買い注文を入れたらしい。証券関係者は「証券会社なら異常な値動きなどで、直ぐに発注ミスと気付く」と指摘。にも関わらず大量買いについて各社の幹部らが「一時保有目的です」と多くを語らないのは後ろめたさがあるからではなかろうか。誤発注に気付いてネット取引で買い付けた個人投資家も多いとか。これに対し与謝野金融担当相は相当のご立腹のようだ。「法律上は取引が成立しているが、誤発注と認識しながら隙間を縫って、顧客の注文を取り次ぐのではなく自己売買で取得するのは、美しい話ではない」痛烈批判。「経営者も行動の美学を持つべきだ」とも注文をつけている。広がり続ける株式ブームは正に銭ゲバの様相だ。
と思っていたらジェイコム株誤発注の強制決済で利益を得た内外の大手証券会社6社が、計168億円の利益をみずほ証券に対して全額返還する方向で最終調整に入ったことが14日明らかになった。
 既に決済していることから、金融当局と返還方法について協議している。みずほの損失約400億円強のうち、これらの証券6社との決済分は約4割に上り、みずほ側の損失額は大幅に圧縮されることになる。
 みずほ証券の発注ミスに付け込む形で、多額の利益を得たことに対しては、与謝野馨金融担当相や自民党から批判的な意見が出ており、こうした声に配慮することにしたとみられる。