余計なお世話

低予算での夏季五輪招致を目指している福岡市の山崎市長が15日の記者会見で、札幌市が五輪経費を総額約1兆8000億円と試算したことについて「オリンピックをやる気がないからだ」と発言。同市長は、1000億円以内の低予算で開催計画を作成するように指示していることを強調。札幌市の試算額については、「どの様な試算をしたのかは分からない」と算出根拠を知らないことを認めながらも「市民に問えばみんな反対するだろう」と述べた。この発言は、福岡市と札幌市の経費が大幅に違うことで「札幌市にやる気が見えない」と見たらしい。同市長としては、「何故、そんな多額の金が掛かるのか」と、取り組む姿勢の違いを示したかったのだろうが、余りにも短絡的な発言ではなかろうか?札幌市にしてみれば、余計なお世話だろう。
15日の記者会見を受けて札幌市も「逆に何処から、1000億という数字が出てくるのか疑問」と反論。確かに五輪は莫大な金が掛かりますな。2004年のアテネ大会では、総額、約90億ユーロー(約1兆2150億円)の費用が掛かっており、2000年のシドニー大会での38億2000万ユーローを大幅に超え史上最高を記録。札幌市曰く「アテネをはじめ、出来る限り資料を収集して分析した結果が、約1兆8000億という額であって、それに対してケチをつけられる筋合いはない」と。確かにその通りで算出根拠も知らないのに(知らないことを認めているが)ケチをつけるのは如何なものか?札幌市は試算を基に、五輪開催のメリット、デメリットを提示して12月1日から1万人の市民を対象にアンケートを実施するそうで、その結果を受けて招致へゴーサインを出すか否か決めるという。この札幌市の「市民ありき」な姿勢には少なからず好感が持てますな。2012年大会招致に成功したロンドンでは、低所得者階級の居住地再開発を謳い、多くの市民の賛同を得たことからも福岡市の低予算で招致することにも好感が持てるけど、果たして市民が招致を如何考えているのか問わないと分からないと思うのでけど・・・。まぁ、よそを批評する前に自分の足元を固めるべきではなかろうか?どちらにしても、もう日本で五輪はいいんじゃないの?と思う自分であります。