やらせ番組

テレビの民放各局での番組の取材や制作に絡んだミス、トラブルがココに来て相次いで起きている。NHKじゃないけどやらせ、過剰演出、不適切な取材など9月以降に発生しただけでも主要5局で計12件だって。特にフジテレビ情報番組『めざましテレビ』で昨年3月から4月にかけて6回に亘り放送された「やらせ」は酷いもんだ。何時も観ている番組なのにね。フジテレビは総務省から放送第3条に反して事実でない放送を行ったとして厳重注意を受けたそうだが、まぁ、氷山の一角ですね。
でも現場ではそういかないのが現状のようで、ある程度「演出」しないと番組にならないのが実情とか。テレビ局と下請け制作会社との力関係も放送業界の構造的な問題として依然残っていて、局のプロデュサーには、製作会社に『何で撮って来れないの?』と平気で言う人が沢山いるんだってさ。そうなると製作側は無理してでも過剰演出するわな。やはりテレビ局側の姿勢に問題があるのであって、下請け会社への指導を強化することや、ミスやトラブルの解消に向けたチェック体制の改善なんて言っているけど、そんなこと分かりきっていることなんだからさ。もっと重要にして欲しいのは、テレビ局自身の姿勢であって下請け会社への責任転嫁ではないでしょう。けど下請け会社に細心の注意を払う必要もありますがね。如何なものか?
インターネット企業の攻勢に遭っている今、放送の公共性を主張するくせに普段の番組に公共性があるのかと疑いたくもなるよね。今のテレビは、娯楽的な要素だけが肥大して、ジャーナリズム精神のある文化的な番組が減ってきている。真の公共性を問うのであれば、娯楽と文化、両方のバランスを保つ事が必要なのではないでしょうか。
そう言えば20年位前に、テレビ朝日の『アフタヌーンショー』での暴走族の集団リンチに因るやらせ事件で大いに世間を騒がせたことがありましたね。全然、昔と変わんないんですね。
ある作家の『テレビ局に放送のプロはいても、番組内容の正確さや影響力を測る専門化がいない。』という言葉に尽きると思う。