法律の高い壁

今日、注目されていた福岡市の飲酒運転追突事故の判決がありましたが遺族の気持ちを考えると残念な判決ですね。懲役7年6カ月ですか・・・
こんなこと言うとお叱りを受けそうですが、残念ながら危険運転致死傷罪は犠牲者の数や被害者の心痛の大きさでなく、あくまでも運転の危険度で判断されます。おかしなことだとは思いますが感情論で危険運転致死傷罪を適用することは出来ません。確かに如何見たって、被告は飲酒した上、時速100キロを出しての運転、然も現場から逃げ、飲酒を隠蔽したりしているのだから悪質極まりないですね。当然、危険運転には間違いなく、感情的にもなってしまいます。然し、残念ながら今回の判決は厳密な立証を求める法律の高い壁に阻まれてしまいました。
福岡地裁危険運転致死傷罪の構成要件に満たしていないと既に判断していたようですね。昨年の12月18日に福岡地検に業務上過失致死罪と道交法違反を訴因に追加するよう命令しています。これに対して福岡地検はこの命令を飲んでいます。さもないと3児死亡の重大事故でありながら、危険運転致死傷罪について無罪になる可能性があったからです。だが、今日の判決を見ると危険運転致死傷罪については無罪でした。個人的には今回、結果の重大性を考えると福岡地裁にはもっと柔軟に法を解釈して欲しかったと思います。こうみると現状では事故結果の重大性が如何にせよ危険運転致死傷罪で被告を裁くのは難しいようです。だから、早急に新たな別の法律を作るか、さもなければ危険運転致死傷罪の解釈をもっと広げるべきだと思う。そうしないとこの程度だったら危険運転ではないと云った誤ったメッセージになりかねないから。
恐らく福岡地検は控訴するでしょう。後は高裁が如何判断するかです。以前、名古屋地裁で業務上過失致死罪による懲役6年だった判決が名古屋高裁危険運転致死傷罪による懲役18年の判決になった愛知県春日井市の事故の判例もありますから。未だ分かりません。
明日もこのニュースが大題的に報じられるでしょうからマスコミはもっと騒ぐべきだ。騒いで騒いで騒ぎまくれ!