歴史を楽しむ一つの方法

昨日のスポーツ報知にとても興味深い記事が載っていた。内容は2人の学者が肖像画の着衣や所持品などから身長を推定する方法を開発したというもの。
肖像画などで人物とともに書かれている着衣や所持品をヒントに、解剖学的に幕末の志士・坂本竜馬の身長を推定した結果、平均よりは大きいものの、イメージよりは小柄な推定169センチだったという研究結果になった。
6尺(約180センチ)とも5尺8寸(約174センチ)ともいわれ大柄とされていた坂本竜馬。竜馬の場合、ほとんどの和服の襟幅が当時から6センチか6.5センチのいずれかであることに着目し、全身写真で身長を計算すると156〜169センチとなったという。江戸時代の男性の平均身長は160センチ弱。竜馬はかなり長身といわれてきたが実は平均より少々高い程度。現代では、小泉純一郎元首相と同じ高さになる。
亦、上杉謙信との川中島の戦いや、「風林火山」の旗印で知られる武田信玄は、肖像画で持っている扇子の大きさを徳川将軍が使っていたとされる現存の扇子を参考に推定。身長と関係があるという左上腕骨を31.5センチと見積もったことから推定身長は約162センチ。フィギュアスケート浅田真央選手と同じ。この他に豊臣秀吉の側室「淀の方」は、着物の襟幅と肖像画の方法により約168センチと推定。秀吉亡き後、豊臣家を守るために奔走した強力なキャラクターで知られる「淀の方」だが、今の世なら蛯原友里さんや長澤まさみさんと同じスタイルとして注目されていたのかも知れない。更に小説家の樋口一葉は写真の襟幅から141〜6センチ、戦国武将の加藤清正肖像画の扇子から159センチと計算した。
然しながらこれらの方法は限界があり、肖像画から推定する場合、没後に描かれたものや写実性に乏しいもの、腕の長さが分かりにくい衣服を着たものなど不適当なものや肖像画も本人であるか確定していないものもあり、一概にそうとは断定出来ない。だがあくまでも推測としてではあるが歴史を楽しむ一つの方法としては面白いことなのではないかと思う。出来れば今まで計算した歴史上の人物の推定身長を記した本でも作って貰えると歴史好きな自分としては大いに嬉しいのだが・・・