多すぎる退職金

小泉純一郎首相が先月末に“知事や市長の退職金は多すぎる”と発言したことで自治体関係者に波紋を広げているという。関係者からは、自治体の財政問題への視線が厳しくなりそうとの声が出ており、首相の一言が地方の退職金リストラを後押しする可能性も出てきた。
首相も自治体首長も退職金は、給与月額に在任期間を掛けて算出するが、一般公務員と同じ在任「年数」で計算する首相に対し、知事、副知事ら自治体特別職は「月数」を掛ける為、高額になるそうだ。自治体関係者に因ると、各自治体とも60年代から「知事の職責の重さは民間企業の取締役と同等」との理由で、民間が採用していた月額計算を取り入れたという。
その結果、今の知事が1期4年間務めて受け取る退職金は、兵庫県の5,414万円(2003年から1割カット)をトップに、千葉県が5,337万円、長野県と福岡県が5,184万円などとなっている。9月に5年5カ月の任期を終える小泉首相が受け取る658万円と比べケタ違いに高い。然も知事は1回の任期を終えるごとに退職金をもらえる。
宮城県が3月、現知事の任期中は退職金を全廃するなど改革の動きも出ているというが首相は「私もいらないから、知事も市長もあきらめてはどうか」と、知事らに退職金制度の自主的見直しを促してもいるという。