金縛り

最近、体が疲れているのか脳が疲れているのかよく金縛りに遭う。
実は昨夜も金縛りに遭い「幻聴」と思われる何者かの声が聞こえる始末だ。今年に入ってから記憶しているだけで既に5回ほど遭っているかと思う。別に脳や体が疲れる程働いている訳ではないんだけど(笑)然も、寝ていると金縛りになるのが分かるまで成ってしまった。
以前、金縛りは幽霊や悪霊が引き起こす心霊現象だと思っていたので、いざ金縛りに遭うと大変な恐怖を味わったものである。今では慣れてしまったこともあるが、金縛りは睡眠中によくある生理的な現象だと理解してからは、そんなに怖いとは思わなくなった。
一般的に金縛りとは、医学的には睡眠麻痺と呼ばれる状態で、レム睡眠中に起こる現象だといわれている。
レム睡眠は浅い睡眠状態を指し、体の骨格筋は弛緩状態だが、脳は覚醒に近い状態で活動すること。簡単に言うと「体は眠っているのに脳は起きている」という状態。一般的には、入眠してから最初のレム睡眠出現までは60〜120分。その後、ノンレム睡眠レム睡眠をおよそ90分周期で繰り返す。因みに夢を見るのは大抵このレム睡眠時の場合が多いという。
人は睡眠中、このレム睡眠の状態になると骨格筋の弛緩が起こり、身体が全く動かなくなる。従って無意識に手足を動かしたり、寝返りをうったりもしなくなる。ところが、時にレム睡眠時の骨格筋弛緩状態のまま暑いとか、寒いとか、寝苦しい、物音がした、尿意を催したなどの意識だけが覚醒してしまうことがある。レム睡眠中に意識だけが覚醒すると、骨格筋が弛緩している為、意識はあるのに身体は全く動かせないという状態になってしまう。つまり、これが「金縛り」と呼ばれる状態なのだ。
以上のことから「金縛り」は通常の睡眠と比べると特殊な状態ではあるが、あくまで睡眠の一形態と考えるのが自然である。我々は金縛りになって初めて身体が動かないことに気が付くが、実は毎日の睡眠中、何度もレム睡眠中の骨格筋弛緩状態になっているのに気付いていないだけなのだ。従って我々は金縛りを恐れる必要は全くないのである。でもあんまり気持ちがいいものではないよね。今日も金縛りに遭うのかな?