再輸入禁止

昨年12月に輸入を再開したばかりの米国産牛肉に危険部位の脊柱が混入していた。中川農水相は同日、この問題を巡り小泉純一郎首相と電話で協議。米国からの牛肉輸入を再度全面的に停止することを決めた。
安全が確認されるまでの措置。食品の安全性をめぐる議論の末に、一度は決着した米国産牛肉の輸入禁止問題は、振り出しに戻ることになる。
問題の牛肉は、20日、成田空港に到着したもので、空港の動物検疫所で調べたところ、米国の業者から届いた41箱のうち、3箱に脊柱が混入しているのが見つかった。脊柱は、脳などと共にBSEを引き起こす病原体が蓄積され易い部位とされ、除去することが日本の輸入条件となっていた。
米国産牛肉は、米国内でのBSE発生を受けて2003(平成15)年12月に日本が輸入を停止。内閣府食品安全委員会で、輸入再開のリスクを検証し、脳や脊髄などの特定危険部位の除去や、生後20か月以下の牛に限ることを条件に、2年ぶりの再開を決定。12月16日に解禁から初めての米国産牛肉が成田空港に到着した。然し再開前に懸念されていた米国内での関係業界の安全面対策だったが行き成り崩れ去った。
米国側のずさんな対応と同時に、米国に対する配慮から輸入再開を急いだ日本政府への批判も強まると見られる。
それにしても、意図も簡単に裏切る米国。米国内での特定危険部位の除去作業をめぐっては、昨年8月、米国政府が自ら1000件を超える手続き違反を公表していたこともあり、以前からずさんさが指摘されていたと言うではないか。正に笑止千万という他ない。然しこんなことをしても再び牛肉を買えと言うであろう米国に日本は何処まで突っぱねられるか。