新世代DVDの規格に決着

新世代DVDの規格をめぐる主導権争いは、「HD DVD」を主導する東芝が、主戦場と考えていた北米市場での小売り最大手であるウォルマート・ストアーズがBD支持を表明したことにより、再生機器類の製造を終了する方針を決めた為、如何やらソニー松下電器産業などが推す「ブルーレイ・ディスク(BD)」に一本化される見通しとなった。
日本での「HD DVD」の販売台数は数万台にとどまるとみられているが、米国の消費者の中には規格争いについてよく知らず、価格面でHDの再生機を購入した人も少なくないとみられ、今後、東芝にとって国内外を問わずHD機購入者への対応が重い課題となる。
更に、撤退にともなう費用や、これまでに投入してきた販売促進費などの関連費用は数百億円に上り、東芝は、デジタル家電原子力半導体と並ぶ主力事業と位置づけてきただけに、HD撤退による損失が経営に与える影響は計り知れない。
以前にビデオテープの規格を舞台に起きた「VHS vs ベータ戦争」では、ソフト充実度で優位にたったVHSの販売台数が市場で優勢となり勝敗を決した。デジタル家電時代となった今回の新世代DVDでも、同様に著作権を握る映画会社や、メーカーへの発言力を増す小売り企業の判断が大きな影響力を与えた形となった。HD陣営とBD陣営は3年前に一度、規格統一の為の交渉に入ったものの、決裂した経緯があり、前回のVHSとベータ戦争に続き、次世代DVDでも“日本発”の規格争いが世界中の消費者を巻き込むこととなった訳で、メーカーの論理に立った消費者不在の製品開発の危うさを再び示すことになった。
個人的には、東芝製品を使用しているので「HD DVD」で一本化されて欲しかったのだが・・・・。はて、東芝も今後、BDに移行するのだろうか?移行しないとやっていけないでしょうね。