下着姿で試合観戦

16日のW杯オランダ対コートジボワール戦の会場で、多くのオランダ人サポーターが下着姿での観戦を強いられたという。自国のビール会社の名前が書かれたズボンを穿いて入場しようとしたところ、係員から脱がなければ観戦させないと言われた為、本当に脱いでしまったもの。17日の国際サッカー連盟FIFA)の記者会見で明らかになった。大会の公式スポンサー以外の宣伝が禁止されている為の“緊急措置”で、FIFA担当者も「(公式スポンサーの)商標を保護せざるを得なかった」としている。
試合会場ではW杯公式スポンサー以外の広告を禁じるというのがFIFAの規定だといい今大会でビール関連では「バドワイザー」で知られる米ビール会社アンハイザー・ブッシュの宣伝しか認められていないそうだ。自国ビールの社名が入った革ズボンを穿いたオランダサポーター達は、宣伝活動と認定されてしまったようだ。サポーター達は背に腹はかえられず渋々ズボンを脱がざるを得なかったという訳だが、因みに気になるのは女性サポーターで、こちらはお咎めなしで脱がなくて済んだというから、ひと安心だ。試合は下着姿の男たちの熱烈な応援で、オランダが勝ち、決勝トーナメント進出を決めた。
今回の対応についてFIFA担当者は「ファンの服装に口出しする権利はないが、何千人もが同じ企業の名前を書いた姿で現れれば、(バドワイザーの)商標を保護せざるを得なくなる」と説明している。さらに「ババリアの作戦」との見方まで示したが、ババリア側は「ばかげた話」と“ちゃっかりアピール説”を否定している。そして下着姿で観戦させたのは行き過ぎとして、FIFAに抗議する構えだという。
革ズボンは「レーダーホーゼン」と呼ばれるドイツ南部バイエルン(別名ババリア)地方の伝統的服装で、ファンは開催国ドイツに敬意を表したつもりだったという。