あれから20年終わりは来ない

26日、旧ソビエト連邦ウクライナ共和国で起きた史上最悪のチェルノブイリ原発事故発生から20年が経った。
この事故は、1986年4月26日、ウクライナ共和国(当時はソビエト連邦ウクライナ共和国)のチェルノブイリ原子力発電所4号炉で、試験運転中に爆発を起こし、火災が発生、大量の放射性物質が大気中に飛散し、欧州を汚染した事故である。
周辺地域では、甲状腺がんなどの増加が報告されており、事故の影響に因る死者数については約4,000人から数十万人までの諸説あり、はっきりしていない。2000年12月、原発閉鎖の為、最後まで稼働していた3号機が停止している。
現在もチェルノブイリ原発周辺は、30キロメートルに亘って、居住禁止区域(通称ゾーン)に指定されている。
事故を起こした4号炉はコンクリートで固められ、「石棺(せきかん)」と呼ばれているが、経年に因る傷みで崩壊する危険が高いという。更に放射能と戦いながらの突貫工事だったので不完全な個所もあり、屋根板などにはズレもあるという。崩壊すると強い放射能を含むFCMが外部に放出される。それを防ぐために、日本を含む国際協力で「シェルター」と呼ばれるアーチ形の巨大な覆いを2010年までに造る計画が進んでいる。新たに費用が5億ドル(600億円)掛かる。高さ110メートル・幅260メートル・長さ150メートルのシェルターの耐用年数は、経った100年しか持たない。
石棺の内部には強い放射能が満ちている。その半減期セシウム137で30年、ストロンチウム90で二十九年なので、事故後20年では半分にもなっていない。
プルトニウム239の半減期は24,000年。シェルターは21世紀のピラミッドになってしまう。大事故の後始末には「終わり」が見えてこない。一体、何時になったらこの史上最悪の原発事故に終わりが来るのだろうか・・・・。