早老症

今日、ある番組を観て改めて世界で様々な難病と戦って生きている人々が沢山居ることを考えさせられた。
その番組では、身体の老化が通常の10倍近いスピードで進むプロジェリア症候群。亦、20歳を過ぎてから老化が加速するウェルナー症候群。筋肉が衰え最終的には呼吸さえ出来なくなるポンペ病の3つ難病が紹介されていた。
プロジリア症候群は簡単にいうと幼年発症型の遺伝早老症。他にもハンチントン・ギルフォード症候群と言われる同じ難病があり、生後6カ月〜2歳ぐらいから発症し頭が大きく、体は小さくなり、頭は禿げ、特徴的な顔貌は眉毛や睫毛がなくなり、皺が多く、萎縮し、鼻が尖がり鳥のように見える。患者の平均寿命は13歳だといい、患者数は世界で約30名程だという。
一方ウェルナー症候群は成人発症型の遺伝性早老症で20歳を過ぎたぐらいから発症し低身長、低体重、白髪、両側性白内障、皮膚の硬化・萎縮、嗄声などの外観を呈し、臨床像として耐糖能低下、骨粗鬆症、性腺機能低下、尿中ヒアルロン酸量の増加が特徴である。患者の平均寿命は40〜50歳だという。患者数は世界で約1,200名程だというが驚くことにその7割にあたる約800人は日本人だという。
ポンペ病は先天的に酸性α-グルコシダーゼと呼ばれる酵素が欠損していることにより起こる重度な筋機能障害を引き起こす疾患。
乳児期の発症は重症で、生後2,3ヶ月で発病し著しい心肥大などの症状が劇的に進行して殆どの患者が生後1年以内に心呼吸不全により死亡する極めて進行速度の早いのが特徴だ。
遅発型ポンペ病は進行性の筋力低下及び呼吸困難等が認められ、起立困難、階段昇降困難に始まり、歩行不能、更に全身の筋肉が動かなくなり、24時間、人工呼吸器の使用が必要となる。ポンペ病は筋力低下という点で筋ジストロフィーと似た症状を呈し、多くの患者は筋ジストロフィー同様、進行性呼吸不全により若くして死亡する。
テレビを観ていて切なくなった。こうした特定の疾患でなく、外見上は不自由がなさそうでも、明日をも知れぬ病気に侵されて生きている人々も大勢居ることを改めて感じた。