平成の大合併

1999(平成11)年から始まった『平成の大合併』が今月31日で一先ず第1弾が幕を閉じる。
1999(平成11)年3月末には3,232を数えた市町村の数は、今月末には1,821にまで減少。この7年間に、全国で1,400余りの自治体が姿を消したことになる。
1889年(明治22)年4月1日に施行された市制町村制に拠って行なわれた『明治の大合併』、1953(昭和28)年の町村合併促進法及び1956(昭和31)年の新市町村建設促進法に拠り行なわれた『昭和の大合併』に続く、三回目の大合併。岐阜県中津川市と「越境合併」した長野県山口村、村の北部、南部が2市町に「分村合併」した山梨県上九一村など、小さな自治体の多くが相次いで姿を消した。村が無くなった県は栃木県、静岡県など13県に上る。
この一方で、3村が合併して誕生した熊本県阿蘇村は「村」として生きる道を選択した。人口規模は町となる人口5,000人以上の基準を満たしているものの「村の方が、希少価値がある」と町への昇格を拒んだという。
亦、合併に拠り自治体の面積も広がり、周辺9町村を編入した岐阜県高山市は、面積2,177平方キロ・メートルで、香川県(1,876平方キロ・メートル)や大阪府(1,894平方キロ・メートル)を上回り、市町村で日本一広い面積を誇るetc
市町村合併は、自治体の行財政運営を効率化し、地方分権の時代に相応しい自治基盤を構築するのが狙いで、国は合併を選択した自治体に手厚い財政措置を講じる手法で合併を推し進めて来た。合併の原動力になったのは返済額の70%を国が肩代わりする「合併特例債」だそうで、今月末までの合併が発行の条件とされた為、駆け込みでの合併が相次いだようだ。今後は、特例債乱発に伴う借金の返済が国と自治体に圧し掛かって来るという。
来月の4月1日からは、財政支援を大幅に縮小した「新合併特例法」の下で、新たな合併が動き出す。新法は、知事に合併協議会の設置や斡旋権限を持たせるなど、都道府県の主導で合併を進めるのが特徴的で、1日には、愛知県弥富市が誕生し、市町村は1,820に成り『平成の大合併』第2弾が始まる。